ホーチミン市5区チャンフンダオ通り(Tran Hung Dao)に、夕方から夜にかけて数百人もの若者が行列を成す黒糖入りパールミルクティー(タピオカミルクティー)の店がある。店周辺の歩道には来店客の自転車やバイクが隙間なく駐輪され、その脇には若者が列に並んでいる。
このパールミルクティー屋はいわゆる「店」と違い、歩道で販売し客用の机や椅子はもちろん、店名や看板もない。しかし、カップはチェーン店と同様に氷ありと氷なしを選択できるよう2種類を用意している。
18時の開店前から既に行列ができており、時間を追うごとに列は長くなる。中には場所取りをする人もいて、順番が来るまでに30分以上かかることも稀ではない。連日の行列を目にして、どれだけ美味しいのか興味本位で並ぶ人も多いようだ。
同店のファンで8区から通う女性によれば、同店の黒糖パールミルクティーは価格が他のチェーン店の半額程度の1杯2万VND(約97円)だが、味も美味しく容器や袋もしっかりしていて見た目も可愛いという。タピオカは黒糖色で程よい甘さに歯ごたえがあり、脂肪分が控えめなミルクに良く合うのだとか。
行列に並ぶ恋人をバイクに座って待つ女子大生は、その都度並ぶのは大変なので2人で8杯をまとめ買いして、翌日も飲めるように冷蔵庫に入れておくのだという。学生の財布にも優しい価格で味も良く、10点満点中7点と高評価だ。
同店のオーナーのミー・フインさんは、これまでにオンラインでパールミルクティーを販売していた経験があり、同通りに出店することをオンライン上で宣伝したところ、応援の声が多数届いた。2か月ほど前に友人らと同店をオープンしてから連日大盛況で、毎晩1000杯近くを売り上げる。
フインさんによると、販売所と加工所が別にあるためスタッフは販売・会計・加工・運搬と分業し、店を回している。原料はサトウキビの絞り汁を煮詰めて作られた黒糖を使ったタピオカに牛乳を使ったミルクティーで、程よい甘さが人気。価格は2万~6万(約97~291円)VND。
午前11時頃に仕込みを終えて18時にオープン、3時間後の21時には閉店する。完売後にも行列が続く日も多く、客には翌日に改めて来店してもらうよう伝えているという。