ハノイ市ミードゥック郡ドンタム村で15日午後、土地の強制収用に反対する村民らが公務執行中の警察官らを取り囲んで、特殊警察官を含めた30人余りの身柄を拘束するという事件が発生した。
警察官らは同村ホアイン村落の文化会館に連行され、監禁されている。当局は村民らとの交渉を進めているが、17日午前11時半の時点で合意に至っておらず、警察らは監禁されたままだ。
地元マスコミの取材に対し、ある村民は「警察官らは食べ物や飲み物を十分に与えられており、人道的な扱いを受けている」と述べた。村民らは当局に対し、法律に従い土地収用を行うことや警察に逮捕されている村民を解放することを求めて強く抗議している。
同事件が発生した背景には、土地収用をめぐり当局と村民との間で対立が続く中、同市警察が15日に土地収用に反対した村民4人を治安びん乱容疑で逮捕したことがある。当局は問題の土地を「国防用地」としているが、村民らは「これまで継続的に耕作を行ってきた農地であり、所有権を証明する書類も保有している」として真っ向から否定している。