ホーチミン市フーニュアン区にあるアンシン病院でこのほど、父親から採取した頭部奇形精子を用いた体外受精に成功し、長年不妊治療を受けていた夫婦に男児が誕生した。頭部奇形精子の体外受精による出産は、ベトナム国内では今回が初めてとなる。
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紅河デルタ地方バクニン省出身のグエン・ティ・Hさん(女性・37歳)とグエン・ズイ・Cさん(男性・41歳)夫婦は、2012年から同病院で不妊治療を始めた。不妊の原因は、Cさんの精子が極めて稀な頭部奇形精子だったこと。Cさんのような頭部奇形精子による不妊は、男性に原因がある不妊夫婦の1000組に1組の割合だという。この夫婦は体外受精で妊娠できる可能性も非常に低いとされていた。
1回目の体外受精で失敗した後、医師らは精子の酵素を補充するための卵活性化技術を利用して2回目の体外受精を行った。医師らはこれにより発生した胚7つのうち4つをHさんの子宮に戻し、残りの3つは現在も同病院で保管されている。この2回目の体外受精は成功し、Hさんは体重2.5kgの元気な男児を出産した。この夫婦が2人目以降の子供を授かりたい場合、同病院で保管されている3つの胚を用いることで妊娠が可能となる。
同病院のある医師は、「頭部奇形精子の原因は未だ明らかにされていないが、今回体外受精に成功したことで、HさんとCさん夫婦は不妊に悩む多くの夫婦に大きな希望を与えた」と語った。