医療機関の不足を背景にして、偽医者とそれに手を貸す医師免許のレンタル行為が横行し、偽診療所を開くためのブローカーが暗躍している。1日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
ホーチミン市を拠点にしているブローカーの男は「何科の診療所でも、必要な医師免許は簡単に用意できる」と話す。眼科の診療所を開くつもりだと伝えると、かばんからすぐにある医師の免許を取り出して「レンタル料は月3000万ドン(約14万円)で契約期間は3年間、6か月分は前払い」と答えた。こちらが躊躇していると、「免許上の名前と同名の医師を用意してやるから心配いらない」と説明した。
こうした診療所では偽医者による違法な診療行為が行なわれている。ホーチミン市1区のアポロ総合診療所で早漏防止手術を受けた男性は、1000万ドン(約4万6700円)以上を支払ったが病状は改善しなかった。その後の市保健局の立ち入り検査で、同診療所で医師免許のない偽医者3人が治療行為をしていたとして摘発された。
診療法は、医師免許の貸し借り行為を禁じているが、効果がないのが現状のようだ。