政府はこのほど、薬殺による死刑執行に関する規定を改定した政令を公布した。2011年に公布された規定では使用する薬剤が限定されていたため、薬剤の入手が難しく、刑の執行を妨げていたが、新しい規定により薬剤の限定がなくなったため、以前より調達しやすくなる。14日付ラオドン紙(電子版)が報じた。
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新政令によると、死刑執行には◇意識を失わせる薬剤、◇運動機能を麻痺させる薬剤、◇心停止させる薬剤の3種類を順に使用する。以前の規定では、この3つの薬剤についてそれぞれ◇睡眠薬(チオペンタールナトリウム)、◇筋弛緩剤(臭化パンクロニウム)、◇心停止液(塩化カリウム)の3つに限定されていた。
今後、保健省は公安省と国防省と協力して、死刑執行用薬剤の種類と分量を決定する。また、死刑執行用薬剤の供給源を確保し、管理・使用方法について指導する。
死刑の執行方法は、2011年7月に銃殺から薬殺に変更された。だが、必要な薬剤がベトナムで生産されておらず、また供給元の欧州各国がベトナムに死刑廃止を求めていることから、調達が困難になっている。現在500人以上の死刑囚が刑の執行を待っている状態で、収容施設の問題だけでなく、長期間処刑を待つ受刑者の精神的な苦痛の大きさも問題視されている。