市場に並ぶさまざまな種類の魚やエビ、イカなど鮮やかな色の水産物。それらのほとんどが化学物質を多用して保存されていると知る消費者は少ないかもしれない。ある卸売市場を取材した記者は、そこで日常的に行われている驚くべき保存方法を目撃した。18日付ティンモイが報じた。
(C)Giai tri |
朝4時、東南部バリア・ブンタウ省ブンタウ市にあるベンディン魚市場は多くの客や業者でにぎわう。ある店では、店主が水揚げされたばかりのエビを尿素の入った容器に入れている。新鮮な色味を長持ちさせるためだ。小売業者に話を聞くと、市場で売られているほとんどの水産物は、肥料用尿素を混ぜた氷に漬けられて市場に運ばれてくる。さらにホーチミン市へ運ぶ場合には再び肥料用尿素を魚に振りかける。こうすれば4~5日、あるいは1週間経っても魚が「新鮮」に見えるという。
さらに恐ろしいのは、漂白剤を使った保存法だ。どす黒く、まったく買う気が起きないようなイカやタコも、漂白剤に漬けて30分もすると身が白っぽくきれいな色に変身する。イカやタコは何度も洗うと見た目が美しくなくなるため、店主らは2~3回水で洗った後漂白剤に漬け、すすいでから売りに出す。
ただし、注意して見ると、尿素や漂白剤を使っているかどうかは見分けることが可能だという。新鮮に見える魚でも、手に取って身を押してみると弾力がなく、生臭い。これらは主に、尿素に漬けたことが原因によるものだ。消費者が口にする水産物の保存に尿素肥料や漂白剤を使うことは警告すべき問題であり、関連当局は調査、監視、違反者への厳しい処分といった仕組みを整える必要がある。