ホーチミン市師範大学教育心理学部のチャン・ティ・フオン博士はこのほど、同市の保健教育の状況に関する調査レポートを発表した。このレポートは同市4区グエンチャイ高校、5区師範大学付属高校、11区グエンヒエン高校の生徒223人を対象にアンケート調査を行ったもの。29日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
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同レポートによると、ベトナムの高校では保健教育の時間を殆ど設けておらず、生徒は性や生殖に関する知識が不足しているという現状が明らかになった。また、保健教育を行っている学校でも、カリキュラムが整備されていないため、効果的な教育ができていない。
教師は保健教育に関する知識と準備が不足しているため、適切な助言ができず、曖昧な回答でお茶を濁すことが多い。生徒らは、◇婚前交渉、◇性的虐待、◇望まない妊娠、◇中絶といった社会問題に関心があるものの、助言を求める相手がいないのが現状だ。
生徒らは、これらに関する知識を求めて、友人に相談したり、インターネットで調べたりしているが、雑多な情報が氾濫しているため、何が正確な情報なのか判断できないという。
博士によると、ベトナムの未成年(15歳~19歳)の中絶件数は年間約30万件。この数字は、東南アジアで最多、世界でも5番目に多いという中絶大国だ。博士は「中絶を受ける女性のうち、60~70%が高校生・大学生であるため、学校での保健教育は非常に重要だ」と述べた。