メコンデルタ地方ビンロン省社会保険事務所はこのほど、同地方カントー市に本拠を置くオンライン社が社会保険制度の“穴”につけこんで妊婦とばかり契約して給付金などをだまし取っていた疑いがあるとして同省警察に捜査を依頼した。22日付ダットベト紙(電子版)が報じた。
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社会保険法の規定によると、女性労働者は出産前の1年のうち6か月間社会保険に加入していれば、平均給与の4か月分と最低賃金の2か月分の出産手当金を給付されることになっている。オンライン社はこの制度を悪用して、妊婦と形式的に契約だけしてわずかな礼金を支払い、その後の女性への給付金を着服していた疑いが持たれている。
例えば1か月の給与が1000万ドン(約4万円)の場合、使用者と労働者は6か月分の保険料(給与の22%)として1320万ドン(約5万2800円)を納付すれば、出産後に4か月分の給与4000万ドン(約16万円)と出産手当金166万ドン(約6640円)、さらに1年後に1.5か月分の手当1500万ドン(約6万円)が給付される。合計額は5666万ドン(約22万6640円)に上る。保険料を会社が全額負担しても、4346万ドン(約17万3840円)の利益が出る計算になる。
関係者によると、この方法を編み出したオンライン社の社長は、社会保険事務所の元職員だという。