ハノイ市では小学校入学申請書の受け付けが正式には7月から始まるが、既に熾烈な「戦い」が繰り広げられている。9日付ジエンダンゾアンギエップ紙電子版が報じた。
文書ではもちろん、口頭でも発表されたことはないものの、希望の小学校に入学させるためには、数百~数千米ドル(数万~数十万円)の現金を支払うのが各父兄の暗黙の了解になっており、高い場合は3000米ドル(約24万円)と言われている。大金を払ってでも子供を希望の学校に入れたい理由は、設備が整っていること、評判が良いこと、自宅や勤め先の近くで送迎に便利なことなど。
同市人民委員会によると、こうした現象の背景には人口密度の偏りや新たに建設された都市区などの周囲に小学校が不足していることなどがあるという。ドンダー区のキムリエン小学校では、近くのキムリエン集合住宅が建て替えられる前と後では入学希望者の数が2倍に増加している。
また、学校側が入学児童の居住地域を限定すると、父兄側はこれに対応して実際住んでいなくても居住登録だけするケースも多くみられるようだ。ホアンキエム区のある家は面積が30平方メートルにも満たないのに、10人近くの子供が居住登録されていたという。