世界保健機構(WHO)の統計によると、ベトナムは結核患者が世界で12番目に多い国で、毎年30万人がこの病気で死亡し、18万人が新たに感染している。しかし、感染者の半数は発見されることなく潜伏感染しているため、誰でも結核菌に感染する恐れがある――。中央結核・肺病院のディン・ゴック・シー院長が明らかにした。9日付ダットベト紙電子版が報じた。
2010年は年初9か月に7万5000人の感染が発見され、このうち半数以上が肺結核だった。また2009年に発見された感染者の17%が、HIVにも感染していたという。
結核感染者が多いベトナムだが、治療体制は整っていない。いかなる薬剤も効かない「多剤耐性結核菌」の出現や、結核治療を専門とする医師や病院の不足が課題となっている。また、結核患者が医師の処方したとおりに薬を飲まないため、治療期間が倍以上に伸びている問題も指摘されている。