中央結核・肺病研究所のディン・ゴック・シー所長はこのほど、ホーチミン市在住の薬剤耐性結核患者のうち100人がベトナムで初めての治療プログラムに参加すると明らかにした。
最新の全国調査によると、結核患者のうち薬剤耐性結核患者が占める割合は2003年の2.3%から3%に増加している。ホーチミン市に限ると、この数値は5~6%と全国平均の倍近い。その原因として、同市の人口密度が高いため感染源が多いこと、民間医療施設での治療を好む患者が多いが、そうした施設では最新の知識に基づいた治療を行っていないことなどが考えられるという。
シー所長によると、薬剤耐性結核は治療しなければ肺の損傷や別の病気を併発して発症から約1年で死に至る。しかし、その治療費は使用する薬剤の種類が多いため非常に高くつくという。現在、ベトナムでは毎年約10万人の結核患者が発生している。