東南部ビンズオン省にあるダイナム観光区内の動物園で10日午後3時半ごろ、トラのおりの中で作業員3人が木を植えていたところ、隣接するおりのトラがさくを飛び込えて侵入し、作業員1人をその場でかみ殺し、別の作業員1人にけがを負わせる事故が起きた。亡くなったのはグエン・コン・ザインさん(47歳)。残りの2人はおりの中にある池に飛び込んで難を逃れたが、うち1人は顔に重傷を負って病院に救急搬送された。
事故のあったおりでは、作業前にトラは別の場所に隔離されていた。しかし隣のおりでは普段どおりトラが公開されており、1頭が約5メートル(後に2.5メートルと訂正)の高さのさくを飛び越えて作業員らに襲い掛かった。事故当時、植樹する木をおりの中に搬入するためクレーンが使われていたが、それがトラを刺激し興奮させたのではないかとみられている。
同動物園のズオン・タイン・フィー園長によると、この動物園の猛獣用のおりは上の部分が開いた作りになっているが、高圧電流システムを設置したり観客との間に池を設けたりすることで安全を確保しているという。