ホーチミン市1区のチャンフンダオ通り・ファムグーラオ通り・グエンタイホック通りに囲まれたいわゆる「黄金の三角地区」開発案件を昨年4月に落札したタイソン共同企業体が、同案件からの撤退を申請する書類を同市人民委員会に提出したことが分かった。タイソン側はこの案件の落札決定プロセスをめぐる問題での争い(※関連ニュース参照)が長引き、案件の経済効果が低下したことを撤退理由に挙げている。
国家監査院はこの問題についてすでに調査を実施し▽入札結果を無効とする▽カインザー共同企業体を落札者とする▽タイソン側を落札者とする当初の結果を承認し追加条件を設ける−の3つの解決案を提示したうえで、「入札結果を無効とする」ことが最も現実的との見解を示していた。
現在同市は政府の最終決定を待っている段階だ。最終決定を待たずにタイソン共同企業体が一方的に撤退した場合、タイソン側が納付した入札保証金2300億ドン(約12億5000万円)の返還を求めることができるかどうかが新たな問題として浮上しているが、入札法では今回のような案件からの撤退の場合は保証金の返還を受けることができないとされている。