- ベトナムとサウジ、99年外交関係樹立
- 両国関係を新たな高みへ、緊密に協力
- 協力の柱はイノベーション、GX、DX
ファム・ミン・チン首相は、国際投資会議「第8回未来投資イニシアチブ(FII)」への出席とサウジアラビアへの実務訪問の枠組みの中で、現地時間29日午後、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード皇太子 兼 首相と会談した。
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両国は1999年に外交関係を樹立した。双方は会談で、外交関係樹立からこれまでの両国間の協力の成果を踏まえ、両国関係を新たな高みに引き上げるべく緊密に協力することで一致した。
双方は、「未来の協力」の柱はイノベーション、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)だとした上で、経済協力を両国間関係の主要な柱とし、サウジアラビアをベトナムの主要投資国の1つとすることで合意した。また、2030年までに両国間の貿易額を100億USD(約1兆5300億円)超に引き上げることを目指すとした。
両国間の貿易額は2019年から2023年までの期間に増加の一途を辿っており、年平均22億USD(約3400億円)となっている。
チン首相はムハンマド皇太子に対し、東南アジアへの輸出を想定してベトナムに原油・石油化学製品を保管する積み替えセンターを建設するほか、ベトナムのハラール産業の開発で協力するよう提案した。また、在サウジアラビアのベトナム人コミュニティに便宜を図るよう要請した。
ムハンマド皇太子はチン首相の提案に同意し、両国が協力案を具体化して両国間協力の可能性を実現するための協議を継続することの必要性を主張したほか、ベトナム人コミュニティに便宜を図ることを約束した。
2023年末時点で同国には約4000人のベトナム人が居住しており、その大半が海外派遣労働者となっている。
なお、チン首相はサウジアラビア滞在中、同国の投資や観光などの大臣、主要投資ファンドの責任者と会見し、協力促進に努めている。