ベトナムでは虫のさなぎや、コオロギ、セミなどの昆虫を「名物」として食用にしているが、毒キノコの胞子に汚染された昆虫を食べたために食中毒になって入院する人が多い。ホーチミン市チョライ病院では昆虫で食中毒になった患者を毎年数十人受け入れているという。
最近あった例では、メコンデルタ地方ロンアン省ベンルック郡在住のMさんがセミのさなぎらしきものを畑で見つけ家で調理して食べた結果、約10分後に吐き気、目まい、手足のしびれなどの症状が出て昏睡状態になり、同病院に救急搬送されるというケースがあった。同病院救急科のゾアン・ユエン・ビー医師によると、今年8月にも油で揚げたさなぎを食べてMさんと同様の重い食中毒症状を起した2人の患者が入院したという。
土にはキノコの胞子が大量に含まれており、毒キノコの胞子も含まれている。そのため、土から掘り出した昆虫や幼虫は毒キノコに汚染されている可能性がある。毒キノコの胞子に汚染されると昆虫も死んでしまうが、外形が保たれているため食用にしてしまうことが多いという。