情報通信省傘下のラジオ・テレビ・電子情報局のレ・クアン・トゥ・ゾー局長は5日、映像ストリーミングサービス「ネットフリックス(Netflix)」に対し、韓国ドラマ「シスターズ」のベトナムでの配信停止を要請したことを明らかにした。
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文書は3日付けで、配信停止の対応期限は当日中としていたが、ネットフリックス側は1週間以内に対応を完了するとして期限の延長を求めた。
「シスターズ」は9月にネットフリックスで配信が開始され、日本をはじめ、世界的にも人気を集めている。米国の有名小説「若草物語」を韓国と現代に合わせてリメイクしたもので、キム・ゴウン、ナム・ジヒョン、パク・ジフが3姉妹を演じている。
ドラマの第3話と第8話で登場人物がベトナム戦争に言及するシーンがあるが、この内容がベトナムの歴史の歪曲と革命の成果の否定、国家の侮辱にあたり、報道法と映画法の規定に違反するという。
ただし、ネットフリックスはベトナムにおける法的地位を持たないため、行政処分の対象にはならない。
なお、2019年10月には、米中合作のアニメーション映画「アボミナブル(Abominable)」の劇中に、中国が南シナ海全域の領有権を主張するため地図上に引いている破線「九段線(牛舌線)」が映り込んでいたため、公開からわずか10日後に上映中止が決まった。これを受けて、文化スポーツ観光省は配給を担当したCGVに1億7000万VND(約100万円)の罰金を科した。また、同省映画局の一部の職員も処分を受けた。
2020年7月には、同じく「九段線」が問題となり、中国ドラマ「あったかいロマンス(Put Your Head on My Shoulder)」で該当のシーンがカットされた。2020年8月にも米国ドラマ「マダム・セクレタリー(Madam Secretary)」が同様の違反で処分を受けている。
2021年7月には、オーストラリアのテレビドラマシリーズ「パイン・ギャップ−諜報機関実録−(Pine Gap)」も、第2話と第3話に「九段線」が描かれた地図が映り込んでいたため、配信が停止された。
さらに2022年3月、同じく「九段線」が劇中のシーンに映っているとして、米国のアクション映画「アンチャーテッド(Uncharted)」もベトナム公開前に上映中止が決まった。