ベトナム映画「走れロム(原題:Rom)」が、6月11日から日本で公開される。同日からヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか順次公開となる。配給はマジックアワー。
劇場公開に先立ち、3月5日から14日にかけて開催された「第16回大阪アジアン映画祭」の特別招待作品部門で日本初上映となった。
チャン・タイン・フイ氏が監督・脚本を手掛け、「青いパパイヤの香り」や「夏至」などで知られるトラン・アン・ユン氏がプロデューサーを務める。主役のロムを演じるのは、監督の弟であるチャン・アイン・コア。
「走れロム」は、サイゴンの裏町にある古い集合住宅が舞台。14歳の孤児ロムは、大金が当たる違法宝くじの当選番号の予想屋として生計を立てていた。地上げ屋から立ち退きを迫られている住民たちを救うため、自身の生き別れた両親を捜すため、夢を叶えるためにロムは一攫千金の危険な賭けに挑む。
2019年10月に開かれた第24回釜山国際映画祭(24th Busan International Film Festival=BIFF)のニューカーレンツ部門(新人監督コンペティション部門)で最優秀作品賞を受賞し、2020年9月にベトナムで、同年12月には台湾でも公開された。
映画は釜山国際映画祭が初公開となったが、ベトナム文化スポーツ観光省傘下映画局の許可を得ずに映画祭に出品したとして、制作会社は罰金4000万VND(約19万1000円)の行政処分を科された。
その後、暴力的なシーンのカットなどの編集を経て、2020年3月にベトナム国内での上映が許可されたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で公開が延期され、9月の公開となった。