米中合作のアニメーション映画「アボミナブル(Abominable)」が4日にベトナムで公開されたが、公開からわずか10日後の13日夜、急きょ上映中止が決まった。
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上映中止の理由は、中国が南シナ海全域の領有権を主張するため地図上に引いている破線「九段線(牛舌線)」が劇中のシーンに映っていると観客から指摘されたことだ。劇中で主人公の背景に映る世界地図の南シナ海の部分に九段線が描かれているという。
中国は地図上に「九段線」と呼ばれる破線を引き、南シナ海ほぼ全域の領有権を主張している。九段線は、U字線または牛舌線とも呼ばれ、ベトナムの領海を含めた南シナ海全域を囲んでいる。
「アボミナブル」は、米国のドリームワークス・アニメーションと中国のパール・スタジオが共同で製作を手掛けた作品。監督はジル・カルトン、主演はクロエ・ベネットが務める。
これに先立つ2018年には、中国のアクション戦争映画「オペレーション:レッド・シー」も南シナ海の領有権問題により上映中止となっている。同映画では、南シナ海をベトナム語の「ビエンドン(Bien Dong=東海)」ではなく「South China Sea」と表現したため、ベトナム国民から批判を受けた。