山形国際ドキュメンタリー映画祭2013で、アジア千波万波部門の最高賞「小川紳介賞」にベトナムのズオン・モン・トゥー監督の「ブアさんのござ(Mrs. Bua’s carpet)」が選出された。6日付トイバオガンハンが報じた。
(C)Thoi bao ngan hang、ズオン・モン・トゥー監督(右) |
アジア千波万波部門は、アジアの新進ドキュメンタリー作家の作品を紹介し応援するプログラムで、63か国・地域から608作品が応募し、19作品が最終選考に残っていた。「ブアさんのござ」は、ベトナム戦争で米軍人から受けた拷問の後遺症が残る女性ブアさんや隣人達が日常生活の中で戦争体験を語る姿を描いた作品。
この部門の審査員で映像作家の崟利子(たかしとしこ)さんは、「シンプルでやさしい語り口だが、大きな内容を伝えている。戦争で多くを失い痛みを抱えながら、それでもベトナムの人々の持つ許しの感情や思いやりが、見る人の心を打った」と講評した。
なお、新進気鋭の女性監督ズオン・モン・トゥーさんは現在、中部ダナン市のベトナムテレビ(VTV)ダナンで働いている。