このところ、多数のベトナム映画が各種国際映画祭に出品されており、国内の映画制作界にとっては喜ばしい兆しを見せている。しかし、映画の制作費にかかる問題が最大の課題となっている。
(C) giaothongvantai 「空中で翼を打つ(Dap canh giua khong trung)」 |
2014年初め、グエン・ボー・ギエム・ミン監督のベトナム映画「2030年の国(Nuoc 2030)」が第64回ベルリン国際映画祭の開幕式で上映された。同作品は、10月に開催される韓国の釜山国際映画祭と米国の第37回ミルバレー映画祭にも出品される。
2014年のカンヌ映画祭では、女性監督であるホアン・チャン・ミン・ドゥックの短編映画「30歳の私(Toi ba muoi)」がショートフィルム部門で上映された。
また、女性監督グエン・ホアン・ディエップの映画「空中で翼を打つ(Dap canh giua khong trung)」は9月に開催された第71回ヴェネツィア国際映画祭で、ヨーロッパ・地中海映画批評家協会より最優秀映画賞を受賞したことで注目を集めた。その後、この映画は第39回トロント国際映画祭のディスカバリー部門でも上映され、更に釜山国際映画祭でもノミネートされている。
このほか、クアン・フイ監督の映画「アイドル(Than tuong)」は8月末、韓国の光州国際映画祭に出品され、9月には第23回中国金鶏百花映画祭及びラオスのルアンパバーン国際映画祭の国際映画部門でも最優秀作品賞を争った。
各種国際映画祭に出品されるベトナム映画の殆どは民間映画会社が制作したものだが、高い投資額の割に国内の関心を集めていないため、映画会社が赤字に追い込まれるケースが多いのが現状だ。したがって、ベトナム映画の発展を促すべく、映画発展基金を発足することが急務となっている。