- ボーキサイト掘削案件で契約付則締結
- カリウム採掘案件は8年ぶり工事再開
- ラオスの雇用創出と社会経済開発に貢献
ラオスの首都ビエンチャンで9日、同国を実務訪問したファム・ミン・チン首相と、同国のソーンサイ・シーパンドン首相の立会いのもと、ベトナム企業各社がラオスで展開する複数プロジェクトに関する文書が締結された。
(C)Kien Thuc Dau Tu |
特に、ベトフオングループ(Viet Phuong Group)が南東部セーコーン県で展開するボーキサイト掘削・酸化アルミニウム(アルミナ)製錬コンプレックス案件と、ベトナム化学グループ(Vietnam National Chemical Group=ビナケム)が中部カムムアン県で展開するカリウム採掘案件が注目を集めた。
ボーキサイト掘削・酸化アルミニウム製錬コンプレックス案件は8692haに跨り、投資総額は10億USD(約1580億円)の見込み。ベトナム企業がラオスで手掛ける最大規模の投資案件の1つであるとともに、セーコーン県で最大の海外投資案件でもある。アルミナの年産能力は100万t。2022年12月に既に着工しており、今回締結されたのは契約付則とのこと。
一方、カリウム採掘案件は投資総額5億2240万USD(約830億円)の見込み。採掘面積は10km2。2015年に着工し、ビナケムが1億USD(約158億円)を投じたが、2017年から一時停止していた。今回、プロジェクト再開に関する文書が締結されたことで、工事が8年ぶりに再開することになった。カリウム加工工場は2027年7月に稼働開始予定で、第1期の年産能力は25万t。同工場の製品は肥料生産に使用される。
これらの案件は、ラオス人の雇用創出だけでなく、同国の社会経済開発にも大きく貢献することが期待される。
ベトナムの領土は中部が特に狭く、防衛上の課題となっている。ベトナムの北部と中部に接するラオスは、ベトナムを守る盾のような存在であるため、ベトナムはラオスとの友好関係を重視し、同国への投資を重視するだけでなく、内陸国であるラオスに北中部地方ハティン省ブンアン港の一部を使用させるなどして同国の経済社会発展を支援している。
なお、ベトナムの2024年末時点における対外投資の累積認可額は約225億9000万USD(約3兆6000億円)で、投資先ではラオスが25.1%を占めトップとなっている。