- 請負会社との間で賠償問題が発生
- スミトモ・シエンコ6と日立製作所
- 請負会社から寄せられた苦情は300件
![](https://www.viet-jo.com/image/provinces-vn/TP-HO-CHI-MINH-265.jpg)
ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の投資主であるホーチミン市メトロ管理委員会(MAUR)は、同プロジェクトについて、MAURと請け業者との間で3件の賠償請求に関する問題が生じていると明らかにした。
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このうち、2件はCP2パッケージ(高架部分と車庫)を請け負う共同企業体のスミトモ・シエンコ6(Sumitomo - Cienco6=SCC)との間で起きている。残る1件はCP3パッケージ(電気機械設備、機関車、車両、レールの調達、メンテナンス)を請け負う日立製作所との間のもの。
これまでに請負業者から寄せられた苦情の総数は約300件で、これに係る賠償金などの総額は30兆VND(約1830億円)に上っている。
複数パッケージの請負業者が苦情を申し立てたが、その殆どはプロジェクトのコンサルタントを務めるNJPTアソシエーション(NJPT Association)によって却下された。MAURは正当な苦情について、請負業者への支払い要求に応じたが、双方で意見が合意しない苦情については、契約に基づき仲裁センターを通じて解決に努めている。
直近では日立製作所が、MAURをベトナム国際仲裁センター(VIAC)に提訴し、プロジェクトの遅延について237億円の賠償を求めた。MAURはこれに同意しておらず、日立製作所が提示した要件と要求は法的根拠が十分でなく、NJPTの判断を仰ぐ必要があると主張した。
MAURは、日立製作所が請け負うCP3パッケージの問題が、プロジェクトの進捗を遅延させている要因の1つだと指摘し、契約で定められているにもかかわらず、日立製作所による論争や作業の拒否により、スタッフの研修や試運転にも遅れが生じているとした。
メトロ1号線は全長19.7kmで、14駅(うち高架11駅、地下3駅)を設置。完成率は3月時点で98%に達している。投資総額は43兆7570億VND(約2670億円)で、うち87%は日本の政府開発援助(ODA)を利用し、残りは市予算で賄っている。
なお、MAURは多くの苦情が発生していることについて、解決に関する作業は常にプロジェクト実施プロセスと並行して行われるため、進捗自体は確保していると述べた。