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ベトナム共産党機関紙「ニャンザン(人民)」などがこのほど開いた、2023年の経済と企業の回復をテーマにした会議で、観光諮問委員会(Tourism Advisory Board=TAB)のクリス・ファーウェル氏が、「ベトナムはコロナ禍後、早期に開国したが、そのメリットを活かせなかった」と指摘した。
2022年、ベトナムは500万人の外国人観光客誘致と45億USD(約6120億円)の観光収入を目標に掲げていたが、実際には約350万人しか誘致できなかった。
一方でタイ、インドネシア、シンガポールは、各国がそれぞれ設定した外国人観光客の誘致目標を達成しており、ベトナムはコロナ禍後のアジア観光回復指数で最後尾につけている。
ベトナムより開国が遅かったタイは、2022年に1000万人超の外国人観光客を誘致し、外国人観光客により140億USD(約1兆9040億円)の収入がもたらされている。入国が簡単であることが要因と見られる。タイは65か国の国民に対して30~45日間のビザ免除措置を講じており、なかには90日間ビザ免除となっている例もある。
これに対しベトナムは、ビザ申請にあたって保証会社をつけなければならない、あるいは公式な手数料が25USD(約3400円)でしかないにもかかわらず、ビザ申請代行会社を通すと時には費用が200~500USD(約2万7200~6万8000円)かかるなど、コロナ前のように各国のベトナム大使館で観光ビザを取得することが容易ではなくなったと、観光客からの批判が相次いでいる。
TABは、ビザ免除対象国を拡大することや、ビザ免除期間を15日から30日あるいは45日などに拡大することが、ベトナムを旅行したいと考えている外国人にとっての大きな動機付けになると提案している。