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一般的に言うと、観光ガイドの務めというのは、自国の文化や国民性を正しい知識を持って、観光客に説明し、異文化交流の橋渡しをすることである。しかし、一部のベトナム人観光ガイドは、自国について軽口を叩いたり、嘲笑の対象にするなどして、観光客に誤った認識や不快な印象を与えている。3日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。
海外旅行は高嶺の花。それでも、最近はベトナム人の海外旅行者が少しずつ増えてきており、だんだんと身近な存在になりつつある。個人旅行は少数派で、殆どが旅行会社が企画したツアー旅行に参加する団体旅行者だ。案内する観光ガイドはベトナム人だが、彼(彼女)らは海外の文化・習慣を紹介するとき、不必要に自国のそれと比べて、風刺するきらいがあるようだ。
パリのセーヌ川を案内するガイドは語った。「ホーチミン市は東洋のパリとも呼ばれており、市内にはセーヌ川のような運河も走っています。最近、ニエウロック・ティゲー運河の水質を改善させて、同市におけるセーヌ川にしようという動きがありますが、全くの絵空事です」
マレーシアのペトロナスツインタワーを案内するガイドは語った。「ここは大変込み合っていますから、はぐれないように注意してください。でも万一はぐれてしまっても大丈夫。ウィンドウショッピングばかりして、ちっとも買い物しない人がいたら、それはベトナム人です」
大抵は冗談として、流される程度のものだが、中にはこれを聞いて「不快な気持ちになった」と後から旅行会社にクレームをつける観光客もいる。ベトナム観光協会は、旅行各社に対して、むやみに自国の批判をしないよう、所属する観光ガイドたちに指導するよう指示し、これに応じない観光ガイドには、資格剥奪や罰金など厳しい処分を科す方針を明らかにした。