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この奇妙な出来事を、親族や教区民たちは神聖なことだと信じ、シー女史の遺体を現在の7区のタンクイ墓地に移した。このときは、墓を掘って埋葬するのではなく、遺体を棺に納めて地面に安置した。
ルアット氏はこう説明する。「カトリック教徒にとって、人間の肉体は神によって神の姿形に似せて創造されたものです。そのため、彼女の親族は改葬の際に遺体がそのまま残っているのを見て、これを尊重し、火葬はしないことにしたのです。そして、これを神聖なものと見なし、遺体を保存することにしました。その後、タンクイ墓地が撤去されることになり、シー女史の遺体はソムチエウ教会に移され、遺体は現在のガラス張りの棺に納められることとなりました」。
ルアット氏は、最初の埋葬の前に何らかの防腐処理が行われたのかどうかはわからないというが、改葬のタイミングから現在に至るまでの間に、遺体は若干黒ずんで縮んできた程度なのだそうだ。
現在、遺体は簡素な棺の中に納められているだけで、保存にあたりな科学的な方法や化学薬品は使われていない。通常の保存状態にもかかわらず腐敗もしていないことから何とも説明がつかず、人々はこの遺体を謎めいた神聖なものと考えている。
ルアット氏はこう語る。「彼女が亡くなったときから数えて、もう100年以上が経っています。それでもご遺体は腐敗も損傷も見られません。ご遺体を掘り起こしたときは、誰もが驚きました。今も多くの人々が神聖で縁起の良いものと信じ、健康や幸運を願ってご遺体のもとへお祈りに訪れています」。