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南部メコンデルタ地方ビンロン省在住のチャン・バン・ヒエンさん(男性・43歳)は、今から5年前に同地方カントー市総合病院を訪れた際、多くの透析患者が病院の廊下で寝ている状況を目にし、「彼らのために何かしなければ」と思い立った。
ヒエンさんは妻のグエン・ティ・キム・ホンさん(女性・38歳)に病院での状況を話し、透析患者を無料で受け入れるシェアハウスを建設したいのだと打ち明けた。ホンさんは夫の計画に賛成し、無料で寝泊まりしてもらうだけでなく、食費や水道光熱費も援助してはどうか、と提案した。
「でも、このアイデアは親戚や友人から反対されました。見ず知らずの人を住まわせるための家を建てて、飲食や交通手段まで世話をする人がどこにいるんだ、と、皆が口を揃えて言いました」とヒエンさんは振り返る。
しかし、そんなことには耳を傾けず、ヒエンさんとホンさんは家族が持っていた土地に家を建てることにした。透析を受けている人は、1日過ぎればその分また1日困窮することになる。そのため、一刻も早く家を建てるべく、夫婦は協力して資材を買い集めた。
夫婦の決意を目の当たりにして、友人や慈善家たちも納得するほかなく、労力や資金を提供して夫婦に協力した。
2019年2月、ビンロン省ビンミン郡タインフオック街区の広さ200m2の土地に、30床ほどのベッドを備えた3部屋の家が完成した。予算は限られ、建設も急いでいたため、プレハブ住宅しか建てられなかったが、ベッドにゴザ、マットレス、クローゼット、テレビまで完備した部屋ができた。
家が完成すると、ヒエンさんはカントー市総合病院と第121軍医病院に行き、透析患者たちに声をかけた。