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2017年1月1日に施行された改正民事法(2015年版)では、ホーチミン市チョーライ病院やハノイ市バックマイ病院などの医師が、外見は男性でも子宮や膣があるケースなど「特定の身体構造」を認めた場合に限り、性別適合手術を許可すると規定されている。
その場合、当事者は医師の診察を受け、自分に適した性自認を選択し、性別適合手術を受ける。手術が成功し、医師の確認を受ければ、出生証明書などの本人確認書類の個人情報の訂正手続きを行うことができる。
しかしながら、トランスジェンダーの人々にとって、これらの規定は現実的でない。保健省によると、ベトナムには現在、約48万人のトランスジェンダーがいると推定される。一方、カミングアウトしていなかったり、隠していたりするケースがほとんどであるため、実際の数ははるかに多いと見られる。
現実的には、ベトナムで法的に認められているトランスジェンダーはほとんどいない。ベトナムのほとんどのトランスジェンダーは手術のためにタイへ行って手術を受け、外見が変わって帰国しても身分証明書の個人情報を変更することはできないのが現状だ。
こうした中、保健省は、性転換法草案の策定を進めている。同法では、トランスジェンダーの人々に対して婚姻や兵役などの一般的な権利と義務を与えることや、女性から男性に性転換した人々が妊娠・出産した場合に法律に基づき手当や社会保険を受け取ることも提案している。さらに、トランスジェンダーがトランスジェンダーと認められるにあたり、医学的な介入を必要とせず、「医学的な介入は任意とする」ことも提案している。
カンさんの娘は2歳になったが、書類上は今もカンさんが「母親」であり、カンさん自身も法的には男性として認められていない。カンさんは、「心からの願いは、娘にとって法的な『父親』になり、娘の出生証明書の父親の欄に自分の名前が記載されることです」と語った。