(C) vnexpress 写真の拡大 |
(C) vnexpress 写真の拡大 |
結婚後も彼女は義理の両親に愛された。義父からはしばしばプレゼントをもらい、義母には洗濯をしてもらい、また陶芸、洋裁、刺繍などを教わっている。
「貴族の家庭にスムーズに入るためには、彼らの礼儀作法や習慣を正しく身につければ、難しいことはありません。私も兄嫁も貴族出身ではありませんが、幼い頃から両親に作法を教えられていました」とガーさんは語る。
ガーさんの父親は建築大学の元学長、母親は保健省の職員だ。「1文を聞けば教養のレベルが分かる。食事中の1分を見れば礼儀作法のレベル が分かる」と 父親はいつも子供たちに教えていた。
最も簡単な料理である茹で空心菜についてさえ、ガーさんの父親は茹で方、ザルへの上げ方、水の切り方、皆が食べやすいお皿への盛り付け方まで細かく教えてきた。
「私の父はたくさんの国を訪れ、その土地の話を聞かせてくれました。そして異文化になじむ心構えについて教えてくれたのです。母は製薬関係の仕事をしていたので、とても綺麗好きでした。母は外交的な人ではありませんが、外国を訪れた際にはその国の歌を1曲覚え、外国人に会うたびにその国の歌を歌って聴かせるんです」とガーさんは両親について教えてくれた。
イタリアに留学する前の1997年、ガーさんはイタリアの文化とマナーを懸命に学んだ。ガーさんは、イタリアへ渡ったばかりの頃にイタリア人の友人が自分を含めたベトナム人の友人たちをディナーに招いてくれた時のことが忘れられないという。
「イタリアではベトナムのように全ての料理を一度にテーブルに並べるのではなく、1皿ずつ食事を進めていくということを本で読み、事前に知っていたのが幸運でした。おかげで、他の友人たちみたいに最初の料理でお腹いっぱいにならずに済みました」。
ガーさんの両親が彼女に教えたことは、イタリア式の食事の仕方ではなく、異文化を学び、受け入れる意識や方法だ。「 私は家庭で異文化になじむことについて教わりましたが、外国を訪れた際にベトナム人の評価を下げないためにも、これはベトナムの文化においてもとても重要なことだと思います」とガーさんは語った。