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学ぶのが速い「森の人」
普段は口数の少ないランさんだが、お金を稼ぐ方法を学ぶのはとても速かった。人々が山で薪を割り、村に帰って売っているのを見るとすぐに真似をした。籐の季節になり、村の男性が籐を刈りに行くのを見て、ついて行った。竹の季節も同様だ。
「彼はお金がどういうものであるかについてはわかっていません。彼にとってお金は物を測るためのものでしかないのです。ある時、突然彼が籐の束を運んで店の前に置いたまま家に帰り、それから弟に重さを測ってお金を受け取ってくるよう頼んだのです」と、「森の人」の近所に住むある商人が笑いながら話してくれた。
「森の人」、父を想う
以前、ランさんと父親であるホー・バン・タインさんはいつも一緒だった。ジャングル暮らしの頃から一緒だったタインさんが亡くなって1年あまりが経ち、寄付によって建てられた家は現在空き家になっている。
雨が降る夜はいつも、ランさんは台所の火のそばに座り、父親を思い出している。「父が亡くなった時、兄はしばらくの間何も話しませんでした。たまにテレビを観に部屋に上がるだけで、ずっと私と一緒に台所にいました」とチーさんは当時を振り返った。
将来の予定について尋ねると、弟のチーさんはこれまでの6年間と同じように家族皆で穏やかに過ごしていきたいと教えてくれた。ランさんは狩りの仕事を任されている。チーさんの妻は田を耕し、チーさんは4頭の牛の世話をしている。
「このあたりの人たちは兄の忍耐強さを知っているので、細々とした仕事を頼んでは謝礼金を支払っています。籐(トウ)の季節には籐を刈りに行き、竹の季節には竹を刈りに行きます。山の生活は飽きないのです」とチーさんは語った。