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「塗り絵」は子どもたちの創造性を育てる遊びの一つだと思われているが、ベトナムの書店やオンライン書店、フェイスブック(Facebook)・インスタグラム(Instgram)・ツイッター(Twitter)などのソーシャルメディアでは、数か月前から「大人の塗り絵」が溢れている。
今年7月中旬から8月はじめにかけて、国内の各出版社が大人のための塗り絵(カラーリングブック)を大量に発行した。中でもタイハー書籍社が出版した、英国の塗り絵作家ジョハンナ・バスフォード(Johanna Basford)の「ひみつの花園(Khu vườn bí mật)」「ねむれる森(Khu rừng bị phù phép)」の2冊は、ファンタジーワールドの物語をなぞりながら彩色をしていくシリーズで、日本でもグラフィック社が同タイトル(西本かおる翻訳)で出版している。
塗り絵本と一緒に、「Sachtomau.com」「Coloring Book - Tô màu cảm xúc」「Coloring Book Club」「Sách tô màu - Coloring Book」など、塗り絵に関する多くのウェブサイトが立ち上げられた。これらのサイトでは、実際に塗り絵を楽しんでいる人が、最適な色鉛筆の選び方、配色の方法、そして自身の作品について紹介している。
塗り絵本の何が大人たちを魅了しているのか?まず、テーマが人々の関心を引き寄せる。花で溢れたバス、鍵盤が踊るピアノ、旅行かばんから飛び出る見知らぬ土地の景色、カラフルな動植物の世界など、物語のような世界に迷い込む。
また、塗り絵に彩色をするだけでなく、塗り絵をする人が自身で絵を創作できるよう、本には多くの異なるイメージが隠されている。塗り絵を楽しみながら、本の中で足りない絵を自分で描き足したり、印刷された絵の中に隠されている細かい絵を探したりもできる。
ホーチミン市の書店「ブックネスト(Book Nest)」のオーナーであるザ・トゥオンさん(女性)は、塗り絵の魅力はそれだけではないと言う。「ショッピングに行ったり、スパに行ったりすることと比べて、塗り絵本は誰にでもできる、安価なストレス発散方法です」。