(C) vnexpress タオさん(左)と姉のトゥオンさん(右) 写真の拡大 |
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タオさんは、入学試験通知書を受け取るため姉と一緒に大学へ行ったところ、入試ボランティアスタッフから「ちびっ子は外で待っていてね。お姉さん1人しか試験場には入れないよ」と言われてしまったという。誰も、その身長1mで小学校1年生のような白い制服を着た「ちびっ子」こそが19歳になる受験生だとは思いもよらなかったのだ。
タオさんは19年前、わずか800g足らずで生まれてきた。少しずつ成長していくはずだと信じ、両親は一生懸命タオさんを育てた。しかし5歳になっても小さいままだったため、両親はタオさんを病院へ連れて行き、そこで初めて成長ホルモン分泌不全による低身長だということが判明した。「経済的な事情もあり、タオを妊娠している間も毎日ずっと自転車をこいで商売に出かけていたんです。タオが生まれた時点で小さかったのも、早産だったからだと思っていました」と母は悔やむ。
しかしながら、両親はタオさんがとても賢いということで大いに慰められたという。歩き始めた頃からタオさんは姉と並んで読み書きができた。当時、南中部カインホア省へ出稼ぎに行っていた父は、タオさんが書いた父への手紙を受け取ってそれはそれは驚き、家へ飛んで帰ったという。それから、両親はタオさんを学校へ通わせることにした。タオさんは小学1年生から中学3年生まで毎年、優秀な成績をおさめた。友人たちも、この小さな、でもいつも成績トップで郡の優秀な生徒に贈られる賞をいくつも受賞する女の子に親しんでいた。