(C) vnexpress, DJ TIT |
DJを始めたきっかけは友人からの誘いだった。友人にあるDJを紹介され、約2か月DJとして修行をした。その後も自宅でDJの練習を続けたが、ターンテーブルを買うお金が無かったので、パソコンにバーチャルDJ(DJの練習が出来るソフトウェア)をインストールし、マウスを操作してMIXの練習に励んだ。その頃は、美容師の卵として働いていたので、練習に費やせる時間は限られており、使いこなせるようになるまでにはかなりの時間を要した。
興味本位で始めたDJの勉強だったが、既にこの仕事の魅力に取り付かれていた。そんなとき、幸運にも小さなクラブからDJの仕事の依頼を受けることが出来た。初めてステージに立ったときのことを振り返って、彼女は笑いながら語った「たくさん練習したのに緊張しすぎて、間違えてしまいました。本当に最低のデビューでした」
それからの1年は新人DJとして前座を務めながら腕を磨き、自分の出番が終わった後も先輩たちのMIXを聴いて必死で勉強し、ついにメインの時間帯を担当させてもらえるようになった。
クラブは当然お酒を飲んで踊る遊び場なので、TITのような若く美しい女性DJがいれば、言い寄ってくる男性客も多い。毎回、そうした誘いを断るのも結構なエネルギーが必要だという。「色々と誘惑が多い職場ですが、それに流されるかどうかは自分次第。ハノイに来るとき、とても心配してくれたお爺さんお婆さんにこれ以上心配をかけたくはありません」