[特集]
ハノイのクラブシーンを盛り上げる人気女性DJ、「DJ TIT」18歳の素顔
2013/06/02 08:10 JST更新
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今、ハノイのクラブシーンで最もホットな女性DJと言われている「DJ TIT(本名:チャン・ティ・トゥイ・ティエン)」は、まだ18歳という若さながら、同市のクラブで引っ張りだこの人気DJだ。
ボディーラインを強調したセクシーな衣装とハイヒールがトレードマークの彼女は、色鮮やかな照明の中でも一際目立つ存在感を放っている。薄化粧で仕事中は服装もシンプル(他の女性DJと比べて)だが、そのスタイルの良さと魅力的な笑顔で、ハノイで最もセクシーな女性DJと言われるようになった。
TITは生後僅か2日のときから、母親と離れ離れで暮らしていた。彼女は祖父母の家に預けられ、祖母を母親代わりにして育った。幼い彼女は母親のことを恋しがったが、その母親は5歳の頃に亡くなったという。
「子供の頃は悪戯好きのお転婆娘で、クラスの子達とふざけあってばかりいました。学校では母親がいないことで、皆から馬鹿にされることも多かったです」TITは当時を振り返ってこう語った。
その後、中学3年生で学校を辞め、美容師になるため単身ハノイへと渡った。祖父母はTITに安定した仕事に就いて欲しいと願っていたので、彼女がハノイ行きを決めたときはとても心配したという。当時は彼女も自分がクラブDJになるなどとは夢にも思っていなかった。
DJを始めたきっかけは友人からの誘いだった。友人にあるDJを紹介され、約2か月DJとして修行をした。その後も自宅でDJの練習を続けたが、ターンテーブルを買うお金が無かったので、パソコンにバーチャルDJ(DJの練習が出来るソフトウェア)をインストールし、マウスを操作してMIXの練習に励んだ。その頃は、美容師の卵として働いていたので、練習に費やせる時間は限られており、使いこなせるようになるまでにはかなりの時間を要した。
興味本位で始めたDJの勉強だったが、既にこの仕事の魅力に取り付かれていた。そんなとき、幸運にも小さなクラブからDJの仕事の依頼を受けることが出来た。初めてステージに立ったときのことを振り返って、彼女は笑いながら語った「たくさん練習したのに緊張しすぎて、間違えてしまいました。本当に最低のデビューでした」
それからの1年は新人DJとして前座を務めながら腕を磨き、自分の出番が終わった後も先輩たちのMIXを聴いて必死で勉強し、ついにメインの時間帯を担当させてもらえるようになった。
クラブは当然お酒を飲んで踊る遊び場なので、TITのような若く美しい女性DJがいれば、言い寄ってくる男性客も多い。毎回、そうした誘いを断るのも結構なエネルギーが必要だという。「色々と誘惑が多い職場ですが、それに流されるかどうかは自分次第。ハノイに来るとき、とても心配してくれたお爺さんお婆さんにこれ以上心配をかけたくはありません」
クラブDJの仕事に偏見を持っている人も多い。友人の親がDJの仕事について否定的な意見を言っているのを聞いたときは少し落ち込んだという。そこで彼女は知人らに自分が仕事をしている姿を見てもらおうと皆をクラブに招いた。そうして、少しずつ周囲の理解を得ていった。
見た目は華やかな彼女だが、実際には家で料理をしたり、音楽を聴いたり、フェイスブックを更新したり、と一人でいる時間が好きな方だという。祖母とは今でも毎日のように電話で連絡を取り合っている。今は仕事が忙しく全国を飛び回っている生活だが、毎月の仕送りは欠かさない。忙しい合間を縫って祖父母を訪ねるようにしている。
「以前はお金持ちの家に生まれれば良かったのに、と思うことが多かったです。でも今はそれは大切なことじゃないと思うようになりました」
一方、両親に対しては複雑な感情を抱いている。父親の顔は知らず、母親の顔もはっきり思い出せないのだという。「友人たちが両親から可愛がられているのを見て、羨ましく思っていました。母のような若さで結婚したくはありません。将来、もし子供が出来たら、そばにいてたくさん可愛がってあげたいです」
[Binh Minh Vnexpress 16/2/2013, 07:30 GMT+7U]
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