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フオンチュン村人民委員会のホアン・コン・コア主席は、「村人たちは彼女のことを親しみを込めて"フオン・ノン"と呼んでいます。彼女は普通の農民ですが、チュオン村のことを世界に宣伝してくれています。新しいデザインのノンラーを生み出し輸出する、それができるのは彼女だけです」と賞賛する。
2006年11月にハノイで開かれた第14回アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議では、観光総局から歓迎式典の装飾に使用する巨大ノンラーの注文を受けた。フオンさんたちは、直径3.6メートル、高さ1.8メートルの国内最大級のノンラーを10日間かけて製造した。
ノンラーはかつてコメとの交換にも使われた農民のありふれた生活用具だったが、今では1個数十万ドン(数千円)もするおしゃれなアイテムにまでなっている。ここまで来るのは長い道のりだったが、フオンさんにとってノンラーは、故郷への愛情が形になったようなものだという。
どうして田舎暮らしの若い女性が世界に商品を輸出できるようになったのか、との問いに、フオンさんは「私にもどう言っていいのか分かりません。ただ、熱心に追い求めていれば何かが自分を後押ししてくれて、自分が望んだ結果が得られるのではないでしょうか」とやさしい笑顔で答えた。