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- チン首相、公電で国民の保護を指導
- 外務省、タイ側と緊密に連携し国民を保護
- 公安省、タイ側の要請に応じて捜査に協力
タイの首都バンコク中心部の5つ星ホテルの客室で、宿泊客のベトナム人4人とベトナム系米国人2人の計6人の遺体が発見された事件で、ファム・ミン・チン首相は17日、外務省、公安省、駐タイ・ベトナム大使館宛てに公電を送信し、ベトナム国民の保護を指導した。
外務省はタイ側と緊密に連携し、国民を保護し、事件についてマスメディアに情報を十分かつ客観的に提供する。公安省はタイ側の要請に応じて捜査に協力する。
同事件では、16日午後5時半ごろ、ベトナム人4人とベトナム系米国人2人の計6人が死亡しているのが発見された。ベトナム系米国人のシェリーヌ・チョン=Sherine Chongさん(女性・56歳)が、飲み物にシアン化物を盛って5人を殺害した後、シアン化物を摂取して自殺したことが明らかになっている。
殺害されたのは、男性3人と女性2人で、ベトナム人の4人は37~49歳、もう1人のベトナム系米国人は55歳。被害者の1人はベトナムで有名なメイクアップアーティストだということが確認された。
事件の原因は金銭トラブルによるものだったとみられる。チョンさんは、日本の病院プロジェクトに投資するためなどとして5人からお金を借りていた。5人のうち2人は夫婦で、チョンさんに27万8000USD(約4300万円)を貸していた。
しかし、「プロジェクト」に進展がなく、何度も債権回収を試みたが失敗に終わったため、債権者らはチョンさんを法廷に訴え、当事者らは2週間後に出廷する予定だった。チョンさんは5人に「直接会って交渉する」ことを提案し、当初は日本で合流する予定だったが、1人がビザを取得できなかったため、集合場所をバンコクに切り替えた。
ベトナム人らは13日から14日にかけて5部屋にチェックインし、15日正午には4部屋をチェックアウトした。荷物はすべて、遺体が発見された客室に集められていた。15日午後1時ごろ、ベトナム人らは6人分のルームサービスを注文したが、遺体発見時の客室内には料理が手つかずのまま残されていた。
室内に争った形跡はなく、被害者に外傷もなかった。発見時、ドアは内側から施錠されており、ホテルの従業員がロックを解除した。室内にはティーカップで飲み物を飲んだ形跡があり、残された飲み物からシアン化物が検出された。
なお、荷物を調べた結果、違法な所持品などは発見されず、土地に関する書類が見つかったのみだった。