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- 1990~2021年のGDP成長率+5.3%
- 労働生産性の向上に注力する必要
- 域内他国と比べ労働生産性は依然低い
ベトナムの労働生産性は著しく向上したが、周辺諸国の多くの国と比べると依然として低い水準に留まっていることが、世界銀行(WB)が先般発表したレポートでわかった。
レポートによると、1990~2021年におけるベトナムの国内総生産(GDP)の年平均成長率は+5.3%で、中国を除き、域内で最も高かった。
高成長の要因として、◇急速な資本の集積、◇豊富な労働力、◇労働生産性の向上が挙げられる。WBは、高成長を維持する上で特に労働生産性の向上に注力する必要があるとの見解を示した。
ベトナムの労働生産性は、ビジネス環境の改善や人材の質向上、海外直接投資(FDI)の流入により、2010~2020年に+64%と大幅に向上し、伸び率は域内で最も高かったが、周辺諸国の多くの国を下回っている。
アジア生産性機構(APO)によると、2020年におけるベトナムの1時間当たりの労働生産性は6.4USD(約960円)で、タイの14.8USD(約2220円)、シンガポールの65.8USD(約9900円)を大きく下回った。
WBは、労働生産性の改善策として、◇新技術の導入や市場・金融へのアクセスの改善により、既存企業の経営効率を高めること、◇経営効率の低い企業や産業から高い方に各種リソースを再配分すること、◇スタートアップ企業・イノベーション企業をはじめとする経営効率の高い企業の市場参入を推奨することを提案し、中でもスタートアップ企業・イノベーション企業の参入に重きを置くべきだとした。