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ハノイ心臓病院(ハノイ市ホアンキエム区)における医療機器の調達価格水増し事件の裁判で、同市人民裁判所は21日、同病院の元院長(2012~2020年)であるグエン・クアン・トゥアン被告(男・56歳、同市在住)に禁固3年の判決を下した。
トゥアン被告は心臓分野が専門で、博士の学位と教授の肩書を有する。ハノイ心臓病院の院長(2012~2020年)、バックマイ病院(ハノイ市ドンダー区)の院長(2020~2021年)を歴任したほか、ハノイ市選出の国会議員(2016~2021年任期)、中央幹部ヘルスケア委員も務めていた。
同事件は、ハノイ心臓病院の多くの上級幹部やAICベトナム投資評価株式会社(AIC Viet Nam Valuation And Investment)の従業員らが結託し、医療機器調達で調達価格を水増しして国に損失をもたらしたというもの。トゥアン被告は「競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪」に問われていた。深刻な違反であり、党の尊厳を損なうものと判断されたため、既に党から除名処分を受けている。
裁判所は、法の不備により公立病院における医療機器調達が難航していた背景を考慮し、主犯格のトゥアン被告に禁固3年の判決を下した。トゥアン被告は罪状を認め、捜査にも積極的だった。同被告は「国にとって貴重な医師」と評価され、出所後の医療従事は禁止されない。
また、共犯の11人は、執行猶予付き禁固2年~3年か月の判決となった。なお、この事件によるハノイ心臓病院の被害額は536億VND(約3億円)とされ、被告らはその大部分を病院に払い戻した。