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ベトナムと日本の両政府は2019年に、日本の在留資格「特定技能」制度に関する協力覚書(MOC)を交換した。この制度によると、日本語学習費用や往復の航空券などを日本側が負担し、日本人と同等の給与を受け取ることができるとされ、日本で技能実習生として働いた経験があるベトナム人に歓迎されている。実際、2022年6月末時点の特定技能在留外国人数はベトナム人が5万2748人と全体の60.3%を占め最も多い。ただ、ベトナム国内で試験を受けられないことに不満の声が上がっている。
特定技能の在留資格を得るためには、職種と日本語の2種類の試験に合格する必要があるが、ベトナムでは職種試験の実施が遅れている。そのためカンボジアやインドネシア、フィリピンなどに渡航して、試験を受ける人が多い。
Kさん(男性・29歳)は職種試験を受けるため、2泊3日でカンボジアに出かけ、交通費や宿泊費、食費などで約3000万VND(約17万円)かかった。国内で試験を受けることができれば、本来必要のない費用だったと話した。
労働傷病兵社会省傘下の海外労働管理局(DOLAB)のファム・ベト・フオン副局長は、職種試験の実施について日本側と交渉中だとし、実施が遅れている理由については「各国でそれぞれ事情が異なる。日本側が希望する試験の実施時期を提案する形になっている」と説明した。