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2006年に発生した、鳥インフルエンザA(H5N1)に対応するための抗ウイルス薬「オセルタミビル(oseltamivir)」の調達において医薬品会社が不正を働き国に損失をもたらした事件で、ハノイ市人民裁判所は24日、被告8人に有罪判決を下した。
同事件は、保健省がクーロン製薬[DCL](Cuu Long Pharmaceutical)にオセルタミビル製造を発注したが、DCLが取引先から割引を受けた原材料の購入代金を保健省が契約終了時にDCLから回収せず、国に385万USD(約5億4000万円)の損失をもたらしたというもの。
カオ・ミン・クアン元保健次官(男・66歳)をはじめとする保健省の当時の官僚と職員はこれを認識していたにもかかわらず、検査・処分・回収を指示せず、DCLの公的資金横領を黙認した。
財政省は、原材料の購入代金を保健省が契約終了時にDCLから回収しなかったことを発見し、保健省に対して検査と資金回収を求めたが、クアン元保健次官らはこれに応じていなかった。
同事件に関与した保健省の元官僚・職員5人は、責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われていた。このうち、クアン元保健次官は執行猶予付き禁固2年6か月の判決を言い渡され、残る4人は執行猶予付き禁固1年3か月~禁固2年6か月の判決だった。
DCLの元役員3人について、元社長のルオン・バン・ホア被告(男・65歳)は禁固9年の判決を受け、残る2人はそれぞれ禁固5年、禁固6年の判決だった。いずれも公務執行にあたり役職・権限を乱用した罪に問われていた。
裁判所は、◇被告らが深く反省していること、◇賠償金を支払ったこと、◇国の医療事業に貢献したこと、◇家族に革命功労者がいることなどを検討した上で、情状酌量の余地があるとして軽い刑を下した。