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ネイマールが「WCFナショナル・キャットショー・イン・ベトナム2022(WCF National Cat show in Vietnam 2022)」で最優秀賞に輝いた瞬間、グエン・ホアン・バックさん(ハノイ市在住、男性・31歳)は長年の努力が実を結んだと感じた。
審査員たちは、「今年のコンテストで最も美しい2匹の猫の1匹だ」「美しい顔立ち、大きな丸い瞳、額、鼻、あごにかけてのライン。どれも美しいペルシャ猫の基準を満たしている」と評価。ネイマールはタイやフィリピン、ロシア、中国などから集まった美猫150匹余りの頂点に立った。
飼い主であるバックさんは、「今回のネイマールの勝利は、ベトナムが将来、猫ブリーダー分野でタイや欧米諸国に追い付くための希望の光を与えてくれました」と語った。バックさんによると、ネイマールを誕生させるために、(ネイマールの)祖母の世代から約5年を費やしたという。
バックさんはハノイ市内のインテリアデザイン会社で働いている。2016年に趣味で猫ブリーダーを始めたが、徐々にのめりこんでいった。特に、ペルシャ(長毛種)とエキゾチック(短毛種)が好みとのこと。
美しいペルシャ猫を誕生させるため、バックさんは国際的なキャットショーで好成績を残した猫たちを研究。2018年には輸入猫をかけ合わせてアッシュを誕生させた。アッシュは父親の特徴が濃く、大きな丸い瞳と可愛らしい顔立ちを持っていたが、鼻は美しいペルシャ猫のそれではなかった。
翌年アッシュとドイツから輸入したウルティマをかけ合わせてムーンが誕生。ムーンは両親の特徴を受け継ぎ、非常に美しい猫として生まれてきたので、バックさんはとても驚いた。唯一の欠点は、瞳の青みが足りないことだった。
これを改善するため、翌年エメラルドグリーンの瞳を持つ猫同士をかけ合わせて、大きな青い瞳と金色の毛並みを持つフライニックスを誕生させた。その後、2021年にムーンとフライニックスをかけ合わせた結果生まれたのが、両親の最も美しい特徴を受け継いだネイマールだ。
理想の猫を誕生させるまでは、お金と時間がかかった。当初は月給の60%を節約しなければならず、ドイツから猫を輸入するときは1億VND(約56万円)の借金を作った。最近も2億5000万VND(約140万円)でイタリアから猫を輸入したばかりだ。
本業も忙しいため、猫との時間を作るには人間関係を犠牲にするほかなかった。2日以上家を空けることはなく、テト(旧正月)でさえ実家に戻らなかった。毎日2時間かけて家全体を掃除し、猫たちのケアをする。日曜日は猫たちにシャワーを浴びせるだけで一日が終わる。
仔猫の世話は特に大変だ。この種の猫は、鼻の構造上の問題で呼吸のトラブルを引き起こしやすい。ブリーダーをしていて最も悲しいのは、猫たちが病気になったり、死んでしまったときだ。
バックさんは、「何度もやめようと思ったことがありますが、長年の努力を無駄にすることは嫌でした。今は年に2~3回繁殖させているだけなので、仕事やプライベートの時間もとれるようになりました」と話した。