(C) vinuni 写真の拡大. |
地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の非営利大学「ビン・ユニ(VinUni)」(ハノイ市)は、ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナの学生に短期留学プログラムを無償で提供すると発表した。
ウクライナの大学に在籍中で、軍事侵攻により学業を中断している学生は、ビン・ユニのハノイキャンパスで3か月間の短期留学コースを受講し、単位を取得することが可能。往復の航空券、査証(ビザ)、授業料、健康保険料、生活費(寮と食事)のすべての費用が無料となる。
ウクライナの学生はこの短期留学プログラムで、アカデミック英語、ベトナムディスカバリー、クリティカルシンキングのコースに参加できる。さらに、マサチューセッツ工科大学やコーネル大学のオンラインコースへのアクセスも可能。
同プログラムに興味がある学生は、3月31日までにビン・ユニのウェブサイトから申し込む。ウクライナからの最初の学生グループは5月2日にビン・ユニでの短期留学を開始する。
短期留学プログラムに加え、ビン・ユニは、同大学の学部生として入学するウクライナの人々と、同国の研究生にも奨学金を給付する。
なお、VICのファム・ニャット・ブオン会長はウクライナと深い縁がある人物として知られる。ブオン氏は旧ソ連時代に奨学金を得てロシアのモスクワに留学し、1993年に卒業。その後ウクライナのハリコフで起業し、インスタントラーメンを生産すると地元で大評判となった。2000年代から祖国の発展のためにベトナムへの投資を開始し、2009年にウクライナ事業をネスレ(Nestle)に売却してベトナムに本拠を移したが、その後もウクライナへの支援を続けている。