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ホーチミン市文化スポーツ観光局(現:文化スポーツ局)ポピュラー音楽センターにおける公的資産の違法交換事件で、ホーチミン市人民裁判所は19日、同市人民委員会元副主席(2011~2015年任期)のグエン・タイン・タイ被告(男・69歳)を含む被告10人に有罪判決を下した。
同事件では、不動産業界の大富豪でジエップバックズオン不動産(Diep Bach Duong)の社長を務めていたズオン・ティ・バック・ジエップ被告(女・73歳)が主犯格として特定されて詐欺・資産横領罪に問われ、終身刑の判決を言い渡された。
タイ被告は責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われ、禁固5年の判決を言い渡された。また、◇同市財政局元副局長、◇同市文化スポーツ観光局元局長、◇ポピュラー音楽センター元所長など残りの被告8人は執行猶予付き禁固3年~禁固4年6か月の判決だった。
起訴状によると、ジエップバックズオン不動産は3区カオタン(Cao Thang)通り57番地の不動産を、ポピュラー音楽センターは3区ハイバーチュン(Hai Ba Trung)通り185番地の不動産をそれぞれ所有していた。
ハイバーチュン通り185番地にある庁舎は老朽化が進んでいたが、建て直すための資金が不足していたため、ポピュラー音楽センターはジエップバックズオン不動産との間で、ハイバーチュン通り185番地の不動産とカオタン通り57番地の不動産を交換し、同社がカオタン通り57番地に同センターの新庁舎を建設することで合意し、タイ被告は2009年8月にこれを承認した。
しかし、カオタン通り57番地の不動産は、ジエップバックズオン不動産が2008年12月に銀行からゴールドを借り入れるために担保に出していた。それにもかかわらず、タイ被告らは交換時にその取引の正当性を確認していなかったことから、国はハイバーチュン通り185番地の不動産を失い、1860億VND(約9億4000万円)の損失を被ったとされる。
ハイバーチュン通り185番地の不動産は現在、他の会社が所有している。一方、カオタン通り57番地の不動産はポピュラー音楽センターが所有している。
問題の不動産の処分方法について裁判所は、ハイバーチュン通り185番地の不動産の取引を無効化し、現在の所有者に対してポピュラー音楽センターに不動産を返還するよう命じた。また、カオタン通り57番地の不動産については、同センターに対しジエップバックズオン不動産に返還するよう命じた。
なお、ホーチミン市1区のドゥックバー(聖母マリア)教会を望むレズアン(Le Duan)通り8-12番地にある一等地の違法販売事件で、タイ被告は2020年9月、公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われ、禁固8年の判決を言い渡されている。