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米国の競売会社GWSオークションズの発表によると、阮(グエン)朝(1802~1945年)第10代皇帝タインタイ(Thanh Thai=成泰)帝(在位1889~1907年)がかつて所有していたとされる剣が、5万USD(約551万円)で落札された。落札価格は売り出し価格の5000USD(約55万1000円)の10倍だったが、GWSオークションズが予想していた35万~40万USD(約3860万~4410万円)を大きく下回った。
剣は長さ81cm、幅3.8~10cm。柄と鞘には、ハスの花のモチーフが刻印され、赤と青の宝石が装飾されている。出品者は米国在住のグエン朝の子孫にあたる家族で、名は伏せられている。
この剣の来歴については、歴史や文化、骨董品の研究者らから様々な意見が出されている。「剣に刻まれた漢字の書き方が不自然」や「漢字の言葉選びが不正確」といった点を指摘し、偽物と疑いの目を向ける意見もある。
ベトナム国家歴史博物館によると、タインタイ帝は1889年に10歳で即位。1907年にフランス植民地政府によって退位させられた。退位後は現在の東南部地方バリア・ブンタウ省ブンタウ市にあたるキャップサンジャック(Cap Saint Jacques)に追放され、1916年には息子のズイタン(Duy Tan=維新)帝(在位1907~1916年)とともにインド洋のレユニオン島に流刑された。1945年に帰国し、1954年に死去した。