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ハノイ市のセントラルサーカスは15日、4頭のツキノワグマ(いずれも雌)を隣国する北部紅河デルタ地方ビンフック省の保護区に引き渡した。
5~7歳のツキノワグマ4頭は、安定した健康状態でタムダオ国立公園内のベトナム熊保護区(Vietnam Bear Sanctuary)に輸送された。4頭のクマは30日間の検疫期間を経て、健康状態のチェックや病気の治療を受けた後、保護区に放される。
今回のクマ引き渡しには、動物愛護の観点からサーカスでの野生動物の使用が世界的に廃止・制限する動きが広まっていることが背景にある。ベトナムでは、既に15のサーカス団が野生動物の使用を廃止しており、残るサーカス団も野生動物使用を段階的に停止している。
ベトナム熊保護区がセントラルサーカスからクマを引き取るのは今回が2回目。2019年4月にも同サーカス団からツキノワグマ2頭を引き取っており、いずれも保護区で元気に暮らしているという。
同保護区では現在186頭のクマを保護しているが、統計によると、全国の農場では「熊胆」採取目的で約600頭のクマが飼育されており、森林に生息する野生クマの数は僅か数百頭と推定される。
「熊胆」はクマ由来の動物性生薬で、滋養強壮剤として酒などに混ぜて摂取すると肝臓病などに効果があるとされている。商業的な「熊胆」の採取は2005年から禁止されたが、クマの飼育自体は禁止されていない。