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ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は6月から、国際航空運送協会(IATA)が運用の準備を進めているデジタル健康パスポート「IATAトラベルパス(IATA Travel Pass)」の試験導入を開始する。HVNが31日に明らかにした。
同社はIATAトラベルパスの導入について、2月25日からIATAと交渉を開始し、3か月以上をかけて試験導入に漕ぎ着けた。
IATAトラベルパスは、人々の移動の安全性を確保する証明書となる「ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)」の役割を果たす世界的なアプリケーション。信頼性のある新型コロナウイルス検査結果などを記録し、◇各国政府、◇新型コロナウイルス検査機関、◇航空会社、◇乗客の関係者間の情報交換の機密性と一貫性を確保する。
HVNが一部の乗客を選定し、IATAトラベルパスのインストール、写真やパスポート、フライトなどの個人プロフィールの入力を案内する。乗客はアプリで目的地の入国要件を把握した上で、出発地の政府指定かつIATA登録の新型コロナウイルス検査施設で検査を受け、検査結果をアプリで共有し、航空会社にも状況を確認する流れとなる。
IATAトラベルパスは、◇シンガポール、◇パナマ、◇エストニアの3か国が使用を認めており、シンガポール航空(Singapore Airlines)やカタール航空(Qatar Airways)など30社以上の航空会社が試行を進めている。
新型コロナ禍の影響により、ベトナムの重要な産業の一つである観光産業は深刻な影響を受けている。IATAトラベルパスをはじめとするワクチン接種証明書の導入は、観光業界、ひいては航空業界の復興につながるものと期待されている。