(C) ZING 写真の拡大. |
ホーチミン~チュンルオン間高速道路における通行料徴収権の違法販売および徴収額過少申告に関する事件の裁判で、ホーチミン市人民裁判所は22日、被告20人に有罪判決を下した。
主犯格として特定された国防省傘下のタイソン総公社(Tong cong ty Thai Son)元会長 兼 社長のディン・ゴック・ヘ被告(男・49歳)は詐欺・資産横領罪で終身刑、職権を乱用し営利目的で他人に影響を与えた罪で禁固13年の判決をそれぞれ言い渡された。関与した別の事件も含めて終身刑の判決となっている。
事件当時、交通運輸相(2011年8月~2016年4月)を務めていたディン・ラ・タン被告(男・60歳)は公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪で禁固10年の判決を言い渡された。
タン被告は別の複数の事件にも関与し禁固刑を言い渡されているが、ベトナムでの禁固刑は最長30年と規定されているため、今回の判決も含めて30年の禁固刑となった。同被告は2016年にベトナム共産党政治局員・ホーチミン市共産党委員会書記に就任したが、翌2017年にペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil and Gas Group=PVN)会長在任中(2008年~2011年まで)の違反で逮捕された。
同じ罪に問われていた元交通運輸次官のグエン・ホン・チュオン容疑者(男・63歳)は禁固4年6か月の判決。残る17人は、会計に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪などに問われ、執行猶予付き禁固2年~禁固10年の判決となった。
南北高速道路の一部であるホーチミン~チュンルオン間高速道路は、商都ホーチミン市と南部メコンデルタ地方ティエンザン省を結ぶ全長63kmの道路で、2010年に開通。事業主は交通運輸省傘下のクーロン総公社(Cuu Long CIPM)。同省は2012年、同高速道路の建設に充てられた国家資本を回収するために通行料徴収権を販売する事業を管轄し、タン被告はその際に交通運輸相という自身の立場を悪用し、ヘ被告の所有するイエンカイン製造貿易サービス(San xuat Thuong mai Dich vu Yen Khanh)が徴収権(期間:2014年1月~2018年12月)を落札できるよう入札操作を指示していた。
イエンカイン製造貿易サービスは財務状況が劣悪で、落札後は購入代金の支払いを渋り2017年になって初めて決済を完了したほか、会計ソフトのデータを改ざんするなどして徴収額の過少申告を行っていた。へ被告らは同事件で国から7250億VND(約33億円)を横領した。
民事上の損害賠償について、裁判所はへ被告に対し7250億VND(約33億円)の支払いを命じた。判決の執行のため、同被告の会社などの資産は引き続き凍結し没収する。