ホーチミン市観光局は、国際線で海外からベトナムに入国する人々の有料隔離施設となるホテルの安全性や料金について詳細を説明した。
ベトナムへの入国者は、権限を有する出発地の医療機関がベトナム入国前3日間に発行した新型コロナウイルス検査の陰性証明書を提示するほか、入国後に利用するホテルなどの隔離施設の住所、空港から隔離施設までの移動手段、隔離施設の予約手段などの情報を提供しなければならない。また、入国者は保健省や保健当局、省・市・地域の当局が定める各種規定を順守しなければならない。
市内宿泊施設の入国者の隔離受け入れについて、同市観光局のグエン・ティ・アイン・ホア副局長によると、現時点で市内のホテル2軒が航空便のクルー向け隔離施設として、ホテル8軒が専門家などの入国者向け有料隔離施設として指定されている。1部屋あたり1人のみの宿泊が推奨されるが、家族関係が証明できれば1部屋2人の宿泊も認められる。
入国者向け有料隔離施設となっている2~5つ星ホテル8軒の部屋数は計940室で、当局が該当ホテルのリストと併せて有料隔離に関するガイダンスを公表している。宿泊料金は部屋のレベルや隔離にかかる各種サービス・料金によって異なり、1泊125万~500万VND(約5700~2万3000円)となっている。ホア副局長によると、同市観光局は既に指定された8軒のほか、市内のホテル16軒(部屋数1025室)についても隔離施設として利用できるよう提案しているという。
いずれのホテルも関連当局が生活環境やセキュリティ、交通の利便性などを踏まえて検疫要件を満たしているかどうか確認し、ホテルのスタッフにトレーニングを行った上で、同市人民委員会が隔離施設として指定している。また、入国者が宿泊する部屋の間には空室を設けるほか、別の日に到着した宿泊客同士を同じフロアに配置しないなど、様々な対策を講じている。入国者の隔離を受け入れるホテルは、人件費に加えて施設やサービスなどの費用も多くかかるため、宿泊料金も通常時に比べて割高にせざるを得ないという。
なお、ホーチミン市観光局は、入国者の隔離施設の選択肢を増やすため、市内の1~2つ星ホテル15軒(部屋数982室)についても隔離施設としての利用を視野に入れて調査を進めていることを明らかにした。