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グエン・スアン・フック首相はこのほど開かれた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関する会合で、公安省に対し、不法入国手配ルートの摘発を強化するよう指導した。この背景には、外国人の不法入国事件が相次いで発生していることがある。
首相は、外国人の不法入国がベトナムの新型コロナ対策を狂わせ、安全保障にも負の影響を及ぼすとして、国防省をはじめとする関連機関に対し、国境警備を強化するよう指導した。
不法入国者は山岳地帯の小道や海路などを通ってベトナムに入り、不法入国手配ルートの支援を受けて国内で移動していたものとみられる。特に中国との国境では、不法入国手配ルートが新たな小道を次々と切り開き、パトロールを難航させている。
外国人の相次ぐ不法入国と、ベトナム国内での約3か月ぶりの市中感染がほぼ同時に発生したこともあり、国民の間では不法入国手配が大きな話題となっている。
25日に市中感染が発表され、集団(クラスター)感染が疑われている南中部沿岸地方ダナン市警察は、直近1週間に不法入国した外国人31人(主に中国人)を発見している。このうち、不法入国手配容疑で3人(中国人2人、ベトナム人1人)を逮捕し、刑事事件として立件し捜査を進めている。
これに先立ち、ダナン市と隣接する南中部沿岸地方クアンナム省は18日、不法入国した中国人21人を発見した。21人中17人は身分証明書を所持していなかったという。
このほか、中国と国境を接する東北部地方クアンニン省警察は25日、6月9日と10日に複数の中国人の不法入国を手配したとして、同省モンカイ市在住の6人を同じ容疑で逮捕した。
公安省交通警察局のパトロール隊も続く27日未明、ノイバイ~ラオカイ間高速道路で不法入国した中国人5人を発見。5人は4時間かけて船で中国との国境を流れる川を渡り、ハノイ市ノイバイ国際空港に向かう途中で発見された。ここで飛行機に乗り、最終目的地のホーチミン市に移動する予定だった。
なお、発見された不法入国者はいずれも隔離措置を受けている。