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韓国の地方などでベトナム人料理人に対するビザが、昨年初め頃から1年以上発給されていないことが明らかになった。
ビザ申請はあっても、実際の発給事例は皆無だという。背景には、韓国出入国管理事務所による「不法滞在が多い国籍の場合、ビザ発給を全面的に制限することができる」との内部指針がある。
同事務所では「小規模業者が外国人労働者を実際には安価な賃金で雇ったり、料理人として入国した後にビザの活動範囲から逸脱するなどさまざまな形での不法行為が多い」と説明。「ベトナムに限らず、不法滞在が多い国の場合は1年ほどビザ発給を制限している」と加えた。
昨年までのベトナム旅行人気を受けてベトナム料理店が増加している韓国だが、現時点では多くのレストランで料理人は韓国人、サービス担当はベトナム人留学生のアルバイトといった体制を余儀なくされている。
こうした状況に対し現地のベトナム料理店からは「ベトナムの有名店から料理人を招へいして売上高を引き上げたいところだが、ビザ問題でできない」と困惑の声が挙がっている。また「国を指定してビザ発給を制限すれば、逆に不法滞在者の増加につながる可能性もある」と懸念を示す人もいる。