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ベトナムでは満60歳以上を高齢者と定義している。統計総局(GSO)によると、ベトナムは2011年に高齢化社会(高齢化率7~14%)に突入し、急速に高齢化が進んでいる。2017年の高齢化率は11.9%だったが、2038年には20%、2050年には25%に達すると予想されている。
ベトナム高齢者協会のダム・フウ・ダック副会長によると、高齢者の社会生活における権利は憲法に規定され、高齢者法が2010年7月1日に施行されている。同法では、高齢者に関する政策が包括的に制度化され、高齢者の社会活動への参加を保証するとともに、高齢者のケアと役割作りに対する社会組織や個人の関心を奨励している。
これは、2002年に開催された高齢者問題世界会議で採択された「高齢化に関するマドリード国際行動計画と政治宣言」に関するベトナム政府の公約を具現化したものだ。ただ、ベトナムにおける高齢者のケアと役割作りは多くの困難に直面している。
最大の課題は、高齢化のスピードがアジア地域で最も速いことだ。ベトナムの高齢化社会から高齢社会(高齢化率14~21%)への所要年数は17~20年で、フランス(115年)、スウェーデン(85年)、米国(69年)、中国(26年)などに比べ短い。
現在の高齢者人口1190万人余りの中には、老後資金の貯えがなく生活に困窮している人が少なくない。また、高齢者向けの職業訓練は少なく、事業資金の融資を受けることが難しいといった問題もある。